2019年インドネシア大統領選 写真グラフ②
前回に引き続き大統領選の様子を写真と共に紹介します。
実は偶然にも、ジョコウィ大統領が投票をする投票所が僕の宿泊していたホテルから歩いて直ぐとの情報を入手し、現場に潜り込んでジョコウィの写真を撮影することに成功しました。
5年前の大統領選も記者として、同じくジョコウィの投票する瞬間に立ち会いましたが、5年を跨ぎ、2回連続でジョコウィの投票現場にいた日本人も珍しいことでしょう。
なので5年前の2014年と今回の2019年のジョコウィの違いについて少し感じたことを書いて見ます。
(今回掲載する写真は全て僕が撮影した写真です)
大統領も投票します
インドネシアでは、大統領選の際も大統領候補者自身(今回の場合は現職のジョコウィ大統領と副大統領候補のマルフ・アミン、対抗馬のプラボウォとサンディアガ・ウノ)も投票します。
基本的な大統領候補の投票日の流れは、『投票⇨選対に移動・休憩⇨速報値での体勢判明⇨勝利/敗北宣言』となっています。
なので、メディアにとっては、投票時、選対での勝利/敗北宣言の2箇所が写真撮影の絶好のポイントとなっているわけです。
他方で、大統領候補者も一般市民が使う投票所で投票することになる訳で、混乱を少なくするために選対委員会もギリギリ(大体前日)までどの投票所が使われるかの情報規制をかけています。
前回の2014年大統領選でジョコウィが投票所として使ったのは、ジャカルタの閑静な高級住宅街として知られるメンテンにある公園でした。
今年の投票所はガンビル
今年のジョコウィの投票所は、独立記念塔にほど近い、ガンビルの投票所でした。インドネシア語で投票所は、TPS(Tempat Pemungutan Suara)といい、住民の居住地区ごとに細かく投票所が指定されています。中には、一般民家の庭が投票所になったりします。
当日ジョコウィはジャカルタから車で1時間30分程度南にあるボゴール市大統領宮殿から出発。ニュース速報サイトのDetik.comで報道される出発時間、経過、到着時間を確認しつつ投票所に向かいました。
ホテルから歩いて7分ぐらいの場所でしたが、実は到着時にはジョコウィは既に到着済みで現場は厳重な警戒がされてました。
現場はメディアで鮨詰め状態です。メディアにとっていい写真を撮るのは命でもあるので、基本的に譲り合いの精神がありつつも、場合によっては場所取りでガチンコの喧嘩が発生したりもします。僕は邪魔にならない程度に、入り込みます。
5年前とは投票時の表情に変化も!?
これは完全に僕の主観ですが、5年前の投票時とは少し表情が違ったような気がします。下の写真の通り、5年前は、彗星のごとく現れた庶民の味方の大統領候補!といった感じで、親しみを持てるように笑顔が常に多かった印象です。
他方で、今回の投票後は笑顔は見せるものの、威厳含んだ笑顔でさすが5年間大統領をやられてきたんだなぁと感じました。
また事前予想でジョコウィ陣営の有利が報じられていた通り、かなり今回の選挙には自信を持っているんだろうなという雰囲気が表情から伝わってきました。メディアの質問にも、いつも通りジョークを交えつつも、はぐらかすとこははぐらかして、5年前のように割となんでもメディアに答える姿勢ではなく、あくまでジョコウィ主導で囲み取材も終わってました。
これらの表情は、『軍人、昔の大統領の子息、ムスリム指導者といった歴代の大統領とは違う(いわゆる)庶民派大統領候補としての2014年と、5年間の大統領としての経歴を積み、それらをアピールする現職大統領としての現在の違い』を立ち振る舞いとしても表しているのかなーーなんて勝手に感じていました。
現地で見るニュースの様子や、町の人々の様子も、2014年は大統領がジョコウィかプラボォどちらになるか分からない大決戦!といった雰囲気に反して、今回は割とジョコウィの再選が予定稿の様な雰囲気を感じました。
ただ現在公開されている速報値では、2014年と2019年の両陣営の投票パーセントはほぼ変わらない様です。こちらについても、色々な角度からブログネタとして見ていきたいです。
おまけ
バイクタクシー乗車中にたまたま通りかかった投票を呼びかけるウォールペイント。インドネシアでは、公共の壁に勝手にこう言うペイントがよく描かれるけど、どれもデザイン性が高いので目が行きます。
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