印度尼西亜の面影~Kabar dari Indonesia~

インドネシア在住7年目。ジョグジャカルタ特別州のガジャマダ大学大学院所属のどまぐれモンによるブログです。インドネシアとは、文化とは社会とは。宗教とは。無駄に色々考えてます。

2019年インドネシア大統領選 写真グラフ①

2019年4月に実施されたインドネシア大統領選。速報値(クイックカウント)では、現職のジョコウィ大統領がプロボウォ候補を退けて再選を確実にしています。

5年前の2014年の大統領選時も、現地新聞社の記者として大統領選を追いましたが、メガワティ元大統領の私邸で、ジョコウィ陣営の勝利宣言の場にいました。写真撮影もかなり頑張って他の日系メディアを上回る写真を撮影しました。

まだ入社間もなかったけど、現場で東南アジアの大国の大統領選を生で体感出来たのは、その後のインドネシアに対する自身の見方に少なく無い影響を与えていると思います。

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5年前の大統領選。メガワティ私邸でのジョコウィ陣営勝利宣言の図。

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勝利宣言の時、中央のいいポジションを確保したのでバッチし全国放送にも移りました笑

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中央の青いシャツが僕です。遠くスラウェシの友人からも問い合わせがあったシーンになりました



今は一時的に日本に帰国してますが、野暮用でジャカルタにちょうど滞在していたので、大統領選現場をいくつか歩き、写真に納めたので現場の雰囲気を紹介します。

(掲載している写真は全て僕が撮影したものです。)

 

 最後のジョコウィ陣営集会 

4月13日、ジョコウィ陣営は最後の決起集会をジャカルタ中心部のグオラ・ブンカルノ競技場(GBK)で行いました。

GBKの収容人数は公式には7万7千人程度とのことですが、今回の集会では客席は下から上まで、フィールド場や競技場街にも大勢の人が駆けつけてました。

GBK前に駅のあるMRTは混乱をきたして、閉鎖したとかしないとか。少なく見積もっても10万人はGBKに集まった計算になります。

この政治への熱気は日本では味わえないなぁ。

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決起集会を呼びかけるポスター(Instagramから)

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人で身動き取れないくらいパンパンのGBK

選挙キャンペーン最終日のこの日は、ジョコウィ陣営は大規模集会を実施し、その後GBK近くのホテルで開催された最後の正副大統領候補による討論会に参加しました。GBKでの熱気をそのまま持ち込んだように、討論会でもプラボウォ陣営に比べてより主張を投票者に伝えられていたように感じます。

GBKでの集会には僕も、当日めちゃ混んでいる道をぬって参加したので、以下写真で様子を紹介します。

 グオラ・ブンカルノ競技場周辺

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集結する支持者達。ジョコウィ所属の闘争民主党の服を着ている

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こんな風景もインドネシアならでは

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当日は交通規制が途中から敷かれてました

 

グオラ・ブンカルノ競技場敷地内

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お祭りの様なゲート

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会場周辺には入りきれない人用にスクリーンも設置

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政治がこちらの人にはイベント

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キャンペーンポスター。白シャツがジョコウィの戦略イメージ色

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イスラムへのアピールもしっかり

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入りきれない人用に外部モニター

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横断幕も多種多様

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GBKの外でも多くに人が集会開始を待ってました

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インスタ映え

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みんなお揃いのシャツ。これは僕も欲しかった

 

 グオラ・ブンカルノ競技場内部

GBKにはサッカーの試合観戦などで何回か来てるけど、こんなに人でパンパンなのは初めて見た。基本的にセキュリティーチェックがあるのみで、無料で入れました。

内部では通路まで人で溢れていたので、一番上の階層まで上がって、もみくちゃになりながら、ようやく全体が見渡せました。

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人でパンパンの会場。こんな光景初めて見た

 

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ジョコウィ登場を待ちわびる人たち

ジョコウィが登場すると会場の熱気は最高超になりました。(そりゃそうだ)

ジョコウィーーーーと叫ぶ兄ちゃんからおっさん、おばさま方。つくづくインドネシアは国民と政治(家)の距離が日本とは比べ物にならないぐらい近いなぁと感じました。

 そしてジョコウィの登場!!

登場シーンはスター歌手が登場した様な大歓声。演出も凝ってるし、まるでコンサートの様な雰囲気。

 

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登場の仕方がスターのそれ

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長時間待っていた観客大興奮

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一挙手一投足に大歓声

 

ちなみにこのジョコウィが立っている赤い台は上から見ると、ジョコウィ陣営の選挙登録ナンバーである1になっていた様です。その場では気がつかなかったけど。

citraindonesia.com

 

演説はいつも通り、今までの経済政策やインフラ政策の成果を特に集中して話していました。インフラは、ジョコウィ陣営が一番有権者に訴えることが出来る目に見える成果としてあらゆる形で、選挙期間中アピールが行われてました。

www.instagram.com

日本が事業参加しているMRTもしっかり選挙アピールに使われてます。

 

会場の熱気に当てられたのか、人並みに押されたからか、ジョコウィの演説中続々と体調不良と思われる人が、台の上から救出されていました。それぐらい熱気充満で危ないくらいでした。

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運ばれる急病?人

集会後はしっかりインスタ/ツイッターでもアピール。

 

政治が一大イベントなインドネシア

上記の写真の通り、政治、選挙(特に大統領選)は一大イベントなインドネシアの様子を少し垣間見れたのではないでしょうか。

日本は総理の直接投票制がないので、比較しにくい部分はあるにせよ、インドネシアでは政治と国民の距離が近い気がします。

家族のWhatsapp(Lineみたいなもん)のグループチャットで政治談義が行われたりするくらいで(それは必ずしもいい面ばかりでないけど)、日本はこの点に置いてはインドネシアより後方に位置している気がします。

一口に民主主義といっても、日本とアメリカの民主主義体制が違う様に、またインドネシアの民主主義を見る事は示唆に飛んだ無言のメッセージも受け取れる様な気がしました。

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集会後にポージングするおっちゃんは少しかっこ良くも見えた

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